クロワッサンシカゴのねごと

クロワッサンシカゴ(Croissant Chicago)の公式ブログ。

コンピ参加のお知らせ

来週末はゴールデンウィークである。なんというか時間の流れは歳を重ねる毎に加速していく。ジャネーの法則というものだ。この法則に従うのなら、20歳を迎えた段階で人生は折り返しとなる。20歳より前と後での体感時間が同じだからだ。

今月は仕事の進捗をぐぐぐーんと進めて割かし満足。夏までには大きいのを片付けたいところ。今はその準備期間。フリーランスになってからは自分のペースで仕事をしているので、何かに追われることはないけれど、収入が安定しないというストレスはあるかもしれない。貯金があればそれも気にせずに済むので、ある程度資金があって「時間」と「お金」をすべて自分でコントロールしたい人はフリーランスをおすすめします。もちろん、自分発信でやりたいことがある人向けではあるけど。

お知らせ2つ!

1つ目。EXITTUNESさんから「Vocaloseasons feat.初音ミク~Spring~」がリリースされました。春の曲を集めたコンピレーションで「東京バレエ」が収録されています。少しだけミクさんの声を弄りました。はじめてのメジャーCD収録なので良かったらチェックしてみてくれると嬉しいです。

2つ目。ONEとIAのコンピレーションアルバム「ONEAⅤ -ARIAの花嫁-」にお呼ばれしました。前作に続けて声をかけていただいてとても嬉しいです。書き下ろしの「Yawning Crow」は4つ打ち系の音楽を久しぶりに作ったので機会があれば是非聴いてみてください。頒布場所についてはサイトをご確認ください。

というわけでいろいろお声かけいただいてとてもありがたいです。他にも裏でのんびり進めているコラボもあるので発表できる日が楽しみ。それでは!

ジオラマの街

ジオラマの街 / flower

◇ MUSIC/LYRICS : クロワッサンシカゴ
◇ ILLUSTRATION : 純頃


▶ ニコニコ動画はこちら


2018年2曲目です。新曲「ジオラマの街」を公開しました。久しぶりの未発表曲公開になりますね。最近はアルバム曲の投稿が多かったので。今回も「春町」に続き、フラワ歌唱楽曲になります。ミ、ミクさんの曲も作ってるよ!

イラストは純頃さん(@20156_jun)に書き下ろしていただきました。楽曲が攻撃的というかマスロック調ということもあって女の子がかっこいい。どこか一点を見つめている表情も良いなと思いました。動画では疾走感を出すためにいろいろなサブリミナルカットを挟んでいます。酔ったらすみません。

ギターとベースをタブ譜に打ち込んだので配布します。ただ、技術的に無理だと判断した個所は弾き方を変えているので、タブ譜そのままで演奏はしていません。チューニング等は同封のReadmeをお読みください。実験的なものなので配布自体は4/13までにします。再配布の予定は無いです。


▶ ギター・ベース TAB譜.zip 配布終了しました


今後ともどうぞよろしくです。

トリビュートアルバムとか

f:id:croissantchicago:20180405003603j:plain
チャットモンチーのトリビュートアルバムがリリースされました。

トリビュートアルバムはあまり買わないのですが、チャットモンチーは楽曲自体も好きなので迷わず購入。どうしてもバンド色が強い楽曲(特にボーカルで持ってるような曲)だとトリビュートによって評価が下がってしまうことが多い。ようはハズレが多い。

今回購入した「CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜」は当たりだった。チャットモンチーはボーカルも個性的だし、楽曲もおもしろい作りになっているので解散がとても惜しまれるバンドです。特に「世界が終わる夜に」が好きすぎるのです。CHAIの「Make Up! Make Up!」も良かった。

CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜

CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜

  • アーティスト: ヴァリアス
  • 出版社/メーカー: KRE
  • 発売日: 2018/03/28
  • メディア: CD

CD棚を確認して他にどんなトリビュートアルバム持っているか調べてみたら、坂本真綾のトリビュートアルバム「坂本真綾20周年記念 トリビュートアルバム REQUEST」しか見当たらなかった。このアルバムはたまに聴きたくなる。the band apartの「約束はいらない」やキリンジの「うちゅうひこうしのうた」とか最高だよ。

坂本真綾20周年記念 トリビュートアルバム REQUEST(初回限定盤)

坂本真綾20周年記念 トリビュートアルバム REQUEST(初回限定盤)

もっと聴いてたような記憶もあるけれど。もしかしたら、中学生の時にゲオ等のCDレンタルで借りて聴いたのかもしれない。ピロウズのトリビュートとか聴いた記憶あるし。

結論としてはやっぱり、トリビュートは単曲買いの方がいいかもしれない。好みはありますから。視聴して単発買い、次からはこれでいこう。

この世界の片隅に、いる

f:id:croissantchicago:20180321102104j:plain

こうの史代の同名漫画を原作とする劇場アニメーション映画。2016年11月12日公開。

日本映画専門チャンネルにて「この世界の片隅に」が放送されました。上映当時は気にはなりつつもスルーしてしまったので今回が初視聴。見逃してしまった方も過去作含めて再放送するようなので、チェックしてみるとよいかも。

「すずさん」という1人の人間

片渕監督の作品は「マイマイ新子と千年の魔法」を鑑賞したことがあって、今回観た「この世界の片隅に」にも変わらずに共通する「作家力」が素晴らしいと感じた。ジブリの高畑監督の作風とも近いものを感じる。

この映画では、「すずさん」という1人の人間を、観ている側に信じ込ませることに注力していて、のん(能年玲奈)の声、アニメーションの演技を含めて、それを見事に成功させている。ゆったりとした動作に中割を割くことで、日常の動作1つ1つに視覚的快楽が生まれ、『そこにいる』という存在感を強く受ける。そして、その1人の人間である「すずさん」が、嫁ぎ、笑い、泣き、怒り、葛藤し、絶望し、再起する、という誰にでも訪れるであろう普遍的な物語を歩む。それだけで感動する。これは言葉にはできないもの。

「戦争」というのはそこに割って入ってきたものに過ぎない。『戦争の時代を生きた人々』というのは誤った表現だったのかもしれない。人々の暮らしの中に『戦争』という大き目のイベントがあったのだろう。だから、今ぼくらが生きる時代に、特に昨今の世界情勢を見るに、これは他人事などでは決してないと思わされる。「戦争」は正義と正義のぶつかり合いだ。敵味方どちらかが良い悪いの問題ではない。そういう意味では、戦争賛美や反戦イデオロギーを明確に歌っていないこの作品の立ち位置はとても貴重であるし、見る側の解釈に委ねられている。

すずさんは絵を描くことで自分の感情をコントロールしているが、対空砲火が迫っている状況で「今、絵具があれば」なんて考えてしまう子なのです。ですが、これはものを作る身としてとても共感できるし、不謹慎であるとわかりつつもカタルシスを感じ、目の前の情景をこの世ならざるものとして美しく捉えてしまう場合があります。この台詞は映画オリジナルらしいのですが、すずさんの感性を表したよいアレンジだと思います。この台詞により、すずさんはいわゆる"普通"の女性ではないと感じる方もいるかもしれないですが、そもそも"普通"なんてものは存在しませんので、これがすずさんという人間なのです。こんな人間いないよ、と言われたらそれでお終いですが。

言葉にできないもので胸が満たされる

特に好きなのは、玉音放送を聴いたすずさんが感情を吐露するシーン。それと白鷺を追いかけるシーン。もちろんそれらは前半のシーンを踏まえた上でのものになっているので、結論全編無駄なく最高ということになる。これらのシーンは泣いてしまう。でも悲しいから泣いているのではなくて、言葉にできないものが溢れてくるから涙が出る。同じく作品を作る身として嫉妬してしまうね。

鑑賞前に思っていたよりも全編笑える話になっていて良かった。この時代設定でこんなにも微笑ましい構成になっている作品は珍しい。4コマオチのようにパッパとリズムよく展開するので日常シーンも飽きずに見ることができる。絵を描いていたら汽車に乗り遅れたり、ドンくさい体裁の癖に間諜だと疑われ家族に笑われたり、妊娠したかと思ったらそんなことはなかったり、基本的にすずさんの天然キャラが微笑ましい。そんな日常があるからこそ、物語後半は辛い。

音楽は言わずもがな最高である

僕は「マイマイ新子と千年の魔法」以前からコトリンゴのファンであるけれど、今作もドハマりしていて何も言うことがない。「悲しくてやりきれない」や「隣組」のカバーをはじめ、「みぎてのうた」「たんぽぽ」と外れがない。この方の歌声はそれだけで催涙効果があるので卑怯だ。最高だよ。

大人向けの映画だと思う。「火垂るの墓」よりも「この世界の片隅に」の方が絵柄も可愛いし、子供に見せても問題ないとは思うけど、「火垂るの墓」はある種哲学チックな物語に見える反面、本作は現実感が強烈で、ある程度教養も必須になってくる。歴史や文化をある程度知らないとおもしろくないかもなーとは感じた。海外でも人気なようだから、そんなことはないんだろうけど。気にすることはないのかもしれない。万人におすすめできる作品です。

あとはもっと広まることを祈るばかり。事務所がどーだこーだとか聞くと悲しくなってくる。是非地上波でも放送してほしい。とりあえず、遅ればせながらブルーレイ買います!